Accounting & Tax

香港の会計業務と税務申告

記帳・財務諸表・法定監査・Profits Tax提出まで、香港法人を続けるために必要な会計実務を現地でまとめて支えます。香港では会計基準と会社法に沿った記帳が求められ、不適切な処理には罰則があり得ます。現地スタッフの採用・定着は難しい一方、外注で品質とコストを安定させる選択も一般的です。期限や書類の抜けを防ぎ日常の経理負荷を下げることを目的に、本ページではサービスの範囲と費用例、社内記帳の注意点、主な税金の見取り図を整理しています。

  • 対応範囲:記帳代行、経理フルサポート、会計監査〜税務申告の窓口支援
  • 費用の目安:記帳は仕訳件数ベース(例:月間10件未満で月額HK$3,800〜)、監査例は貿易業でHK$13,000、経理フルサポートは月額HK$6,000〜
  • 自分で記帳する場合:保管7年、科目設計、関連者取引など監査前に押さえたい点を記載
  • 税金:事業に関わりやすい主な税・公課を8種と、アジア比較表で概観

会計記帳から税務申告までの流れ

設立後に初回決算日を決め、決算後は記帳と財務諸表作成、会計監査、株主総会での承認、税務申告という順で会社を維持します。2回目以降も、毎年このサイクルを繰り返します。

  1. 1決算日の設定(設立からおおむね15〜18か月以内に初回)
  2. 2記帳と決算書(財務諸表)の作成
  3. 3監査人(公認会計士・監査法人)による会計監査
  4. 4株主総会での監査済み決算書の承認
  5. 5法人税(Profits Tax)の申告

会計監査のサポート

香港では、原則としてすべての香港会社に会計監査が求められます。財務諸表の作成後に監査人へ依頼し、監査報告書が発行されるまでの手続きです。報告書は税務申告でも使うため、申告期日に間に合う日程管理が重要です。当社が窓口となり、監査から申告までをまとめて進めます。

費用例

例)貿易業 / 年商1,000万香港ドル、月間入出金件数40件 会計監査・税務申告費用(サポート費込):13,000香港ドル

期間の目安は2〜3か月です。取引量や書類の揃い方により前後します。詳細はお見積りします。

記帳・経理の代行サービス

仕訳入力だけでなく、香港の会計基準に沿った財務諸表作成まで対応します。不明点は早めに共有し、後工程の監査・申告が滞らないよう整えます。料金は仕訳件数(領収書や伝票を勘定科目へ分類した件数)を基準に算出します。算出方法は事務所ごとに異なるため、まずは無料見積もりをご依頼ください。

サービス内容

取引の仕訳 / 決算書(財務諸表)の作成

費用例(仕訳件数の目安)

月間仕訳件数記帳頻度(月額)記帳頻度(年額)
10件未満HK$3,800〜HK$4,800〜

上記は一例です。仕訳件数や資料の状態により変動します。正式金額は個別にお見積りします。

経理サービスの費用と内容(フルサポートをお求めの方へ)

経理の一部または全部を外注したい場合は、経理サポートをご利用ください。社内の経理部門として、依頼範囲の業務を実行します。下記にない作業でも相談できます。

経理サポート費用
月額 6,000香港ドル より
サービス内容
記帳に加え、経理業務の一部または全部を実施
可能な業務範囲
請求書発行 / 未収未払金の管理 / 小切手の発行や入金 / 送金の銀行登録 / 給与とMPF計算 / 従業員所得申告 / 個人所得申告など

社内で記帳する場合(日本との違いと注意点)

日常の仕訳そのものは日本の実務と大きく変わりません。社内で完結させれば外注費は抑えられます。一方、最終的な財務諸表は香港の会計基準(HKFRSs 等)に合わせる必要があります。監査で問題視されやすい点を以下にまとめます。

証憑と保管期間

請求書・領収書・銀行明細などは、取引内容を客観的に説明できる状態で残します。税務条例上、事業の収支記録は取引完了後少なくとも7年間の保管が求められます。紛失や根拠不足は、調査時に不利になる可能性があります。

勘定科目の設計

使途が不明な支出を雑費・雑収入・役員仮払いにまとめすぎないでください。損金性に疑義があるものは別科目に分け、後から検証しやすい帳簿にします。

交際費などの経費

課税所得を生み出すために要した費用であることが控除の前提です。私的な接待や事業と無関係な支出は認められません。領収書に加え、相手先・目的・業務関連性を残す必要があります。

契約書の根拠

業務委託・技術提供・サービス契約などは、対価の設定根拠と役務内容を説明できる状態にしておきます。口頭合意のみだと、監査・税務の双方で説明が難しくなります。

残高の照合

現金・預金・在庫・売掛/買掛は定期的に照合し、証跡を残します。長期間動かない残高は、理由と回収・支払の見通しを明確にしておくと監査が円滑です。

不正・調査リスク

架空取引、利益の意図的な移転、資金洗浄などは重い制裁の対象です。業務委託費・交際費・仕入・為替差損などの過大計上や、売上原価率の急変も調査のきっかけになり得ます。

海外・関連者取引がある場合

国外関連者との取引では、移転価格やマネロン規制も意識した記録が必要です。

国外関連者取引

親子会社間などの取引は、独立企業間価格の説明が求められやすいため、契約条件と価格算定の根拠を残します。

減損

資産を過大に計上したままにしないでください。監査で疑義が出た場合は、修正するか客観的な評価根拠を示します。

引当

売掛金や在庫などに引当を計上するときは、会計上の要件を満たし、算定根拠を資料化します。税務上は一般引当がすぐには認められないこともある点に留意してください。

ロイヤリティ

知財対価は契約・計算方法・支払先の所在地により課税関係が変わります。非居住者への支払いは源泉・みなし課税の要否も含め、計上前に整理します。

社内記帳で財務諸表まで整えたら、会計監査と株主総会、その後の税務申告へ進みます。監査や記帳代行への切り替えも随時ご相談ください。

税金の解説

香港にある主な税金(8種)

香港で事業・不動産に関わりやすい主な税金・公課は次の8種です。所得課税は最初の3種で、相続税・贈与税・消費税(VAT/GST)・住民税に相当する税はありません。税目は日本より少ない一方、個別適用はケースごとに確認が必要です。

  1. 1. 事業所得税(Profits Tax)

    香港源泉の事業所得に対する税です。法人は二段階税率(課税所得の最初の200万香港ドルまで8.25%、超過分16.5%)が原則です。個人事業等は7.5%/15%です。

  2. 2. 給与所得税(Salaries Tax)

    香港源泉の給与・報酬等に対する税です。累進税率(最高17%)と標準税率(最初の500万香港ドルまで15%、超過分16%)のうち、納税額が少ない方で算定します。個人申告の相談にも対応できます。

  3. 3. 不動産所得税(Property Tax)

    香港不動産の家賃収入等に対する税です。標準税率15%を純査定額(一定控除後)に課します。事業としての賃貸は事業所得税側になる場合があります。

  4. 4. 印紙税(Stamp Duty)

    不動産の売買・賃貸、香港法人株式の譲渡などに課されます。売買は従価印紙税(AVD)が中心で価格帯により税率が異なります。賃貸は契約期間、株式譲渡は売買双方が各0.1%(合計0.2%)などが一般的です。一定のグループ再編では免除・軽減があり得ます。

  5. 5. 商業登記費(Business Registration / BR)

    香港で事業を行うための商業登記に伴う納付です。減免が行われる年もあり、1年分または3年分での支払いが可能です。金額は政府発表に従います。

  6. 6. 差餉(Rates/固定資産税に相当)

    評定賃料(rateable value)を基に課される公課です。非住宅は原則5%、住宅は評定額により5%〜12%の累進が適用される場合があります。減免措置がある年もあります。

  7. 7. 地租(Government Rent)

    多くの不動産で、評定賃料の3%が地租として課されます。差餉とは別の公課で、両方が請求される物件もあります。

  8. 8. 物品税・関税(Duties / Customs)

    自由貿易港が基本ですが、酒類・たばこ・炭化水素油・メチルアルコールなど限定品目に物品税が課されます。一般の消費税はありません。

アジア主要地域の税金と最高税率の比較

香港・日本・中国・シンガポールの主な税目と最高(または標準)税率の目安です。実効税率は控除・軽減・業種で変わります。数値は2026年時点の一般的な目安です。

税目香港日本中国シンガポール
法人税(事業所得税)8.25% / 16.5% (二段階)約30% (実効税率の目安)25%17%
ロイヤルティ課税ありありありあり
給与所得税(最高)17%約55% (所得税+住民税等)45%24%
みなし所得制度ありありありあり
配当・利子課税原則なし約20%10%等原則なし
キャピタルゲイン税原則なし約20%あり原則なし
不動産所得税ありありありあり
印紙税ありありありあり
差餉・地租ありありありあり
物品税・関税限定品目多数分類多数分類限定品目
消費税(VAT/GST)なし10%標準13% (VAT)9% (GST)
贈与税なし最高55%前後なしなし
相続税なし (遺産税は廃止済)ありなしなし

本ページは一般的な制度の概要であり、税務助言ではありません。税率・減免・適用要件は改正されます。個別案件は税務当局または専門家へご確認ください。

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